09.まるで獣(ケダモノ)






「んっ・・・」

「ははっ・・・大分上手くなったじゃねぇか。」

「・・・そ・・・う?」

頬を朱に染めながら上目遣いで自分を見つめるの身体を抱き寄せながら頬を緩める。

「あぁ、もう歯もぶつからなくなったろ?」

チュッと音を立てて唇を合わせると、より一層の頬が赤くなる。

「お前・・・いつまでたっても慣れねぇのな。」

「慣れないよ。」

「こんなに数えられないくらいキスしててか?」

「・・・」

の身体を膝の上に乗せ、その柔らかな頬に唇を寄せれば小さく肩が震える。

「ま・・・俺も、慣れねぇけどな。」

元はただの後輩だった女に、ここまで溺れるとは思わなかった。
溺れちまえば後はラクなもんで、どんな時でもコイツの側にいたいと思っちまう。
現に今も他の人間は館で小難しい話をしているみたいだが、俺はと散策へ出かけると言って抜け出して・・・この有様。

「なんか・・・まるで獣みたいだな。」

「・・・獣?」

「あぁ。ひとつの事に熱中する所なんか、そっくりだろ?」

そういいながら真っ赤に色付いたの唇を奪う。



何度交わしても物足りない。
飢えた心を埋めるかのように、何度もキスを繰り返す。





なぁ、俺達・・・あとどれくらキスすりゃ、この渇きを癒せるんだろうな?





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